Tsavo-west N.P. ツァボ・ウエスト国立公園




 2万812平方キロと四国ほどの面積をもったツァボ国立公園は、ケニアの幹線であるモンバサ・ロードを挟んで東西に分かれています。ツァボ国立公園は、全体として乾燥が厳しく、雨季に雨が少なければ旱魃になりやすく、その赤い大地はやせています。『昔からツァボは、”ニャイカ(恐怖の渦巻く荒涼の地)”と呼ばれて恐れられ、めったに足を踏み入れる者がいなかったほどだった。』(「エレナ 我が心のアフリカ象」--- 後述)

 ツァボ・イーストは公園内の道路事情と治安の問題で、私がいた1995年頃は一部が公開されているだけでした。

 ツァボ・ウエストも広大ですが、きれいな湧き水でカバやワニが泳ぐのを観察できるムジマ・スプリングス Mzima Springs 、できたばかりの小火山チャイム火山 Chaimu Volcano などいくつかの特徴的な地形・生態系を持ち、本格的なゲームサファリが楽しめます。

 ナイロビからだと2時間ちょっとで、公園入り口のあるモンバサとの中間地点ムチト・アンデェ Mtito Andei に着きます。バオバブの木はこの付近より標高の低いところでしか見られません。公園内の大きなバオバブの木は、80年代に襲った2つの大旱魃で飲み水を求めたゾウたちによってかじられた後をくっきりと残しています。この大旱魃と象牙を求める密猟で動物の個体数が極端に減ったとされています。

 ロッジとしては老舗のキラグニ・ロッジ Kilaguni Lodge からはキリマンジャロが西に望めます。グリア・ロッジ Ngulia Lodge はレオパードの餌付けをやっていて、毎晩のように枝肉を吊るした特設丸木ステージに姿を見せてくれます。宿泊客はこのショウを見ながら、ディナーをとります。  この国立公園の開設前後のおよそ30年間にわたって初代公園長を務めたデビッド・シェルドリック David Sheldrich とその妻ダフネ・シェルドリック Daphne Sheldrick は野生生物、ことにゾウやサイを密猟者から守るために、フィールドフォースと呼ばれる精鋭部隊を設立し動物孤児院を開設しました。以下に紹介する本に描かれたエレナと呼ばれたゾウとの30年を越える交流は有名です。

   An Elephant called Eleanor by Daphne Sheldrick

   エレナ 我が心のアフリカ象 (佐草 一優 訳) 成星出版 1997年

 印章、三味線のばち、ピアノの鍵盤などの大量象牙消費国であり、何にも薬効のない犀角を妙薬として珍重する日本及びアジアの一部の国とアフリカの国立公園・動物保護区での密猟とは需要と供給の密接な関係で繋がっているのは悲しい現実です。




モンバサ・ロードにて

 バス停にはキオスクあり

 女性は働き者です

 ツァボ・ウエスト国立公園でのゲームサファリ

 最近の噴火でできたチャイム火山 Chaimu volcano

 多くの小クレーターとゾウたち

 最小のレイヨウ類のクリップスプリンガーは体高60cm位で爪先立っています

 クリップスプリンガーは警戒心が強い

 Kilaguni Lodge キラグニ・ロッジ

 キラグニ・ロッジでのホーンビル

 キラグニ・ロッジの夜、ハイエナが餌に惹かれて来る

 Mzima Springs ムジマ・スプリングスの澄んだ水はモンバサへ送られます

 ムジマ・スプリングスの清潔?カバ

 カバの水中遊泳?手前は魚の陰です

 カバは水中で目を開けています!



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