自律神経免疫学と高濃度の天然と人工炭酸泉の普及により医療と介護の負担軽減をめざします

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 炭酸泉、特に高濃度炭酸泉とは、お湯もしくは水に炭酸ガスが40℃付近での過飽和濃度(水1kgに1グラムのCO2炭酸ガス=二酸化炭素:およそ1,000ppm)もしくはそれ近くに溶け込んでいる水のことです。浸かれば、皮膚や体毛に細かな泡が付き、湯温が低くても浸漬部分は真っ赤になります。体感温度として、2〜3℃実際の温度より温かく感じます。


 天然の炭酸泉に恵まれたヨーロッパでは、ローマ帝国時代から飲用と入浴として、健康維持、病気治療やリハビリテーションなどの療養目的で利用されてきた顕著な生理作用と薬理作用を有する『薬湯』です。


 日本では質量とも世界的に有数な大分県長湯温泉が有名です。特に、1,000ppmを超える高濃度炭酸泉は、肉食による心筋梗塞が多いドイツでは『心臓の湯』と言われ、血行を飛躍的に良くすることから、他の3泉種とともに療養泉として健康保険制度が適応されています。


 天然の炭酸泉ほど医学的効果効能が、分子レベルで解明されている泉種は他にありません。複数の経路で作用しますが、中でも、最も強力な血管拡張を引き起こすのは、皮膚を浸透した炭酸ガスが細い動脈の血管内皮細胞に作らせる自前のニトログリセリン(体内ニトロ)と称される一酸化窒素NOの働きです。この血管拡張メカニズムは、実は狭心症発作時に使われるニトログリセリンや、強壮剤として有名なバイアグラも同じなのです。


 また最近、末梢血管に対して同様の生理活性を持つPGE2プロスタグランジンE2)の作用の関与も指摘されています。


 加えて、中枢神経への働きとして、炭酸ガスの交感神経緊張への直接的な抑制作用と37〜39℃という微温湯によるリラックスの神経=副交感神経刺激作用による緊張(ストレス)の緩和と免疫系の正常化(白血球の数と顆粒球・リンパ球の割合)による自然治癒の促進作用です。


 三菱レイヨンによって実質的に初めて実用化された人工炭酸泉は、医療応用として一部で、糖尿病の合併症=壊疽の治療等に積極的に活用され始めていますが、ドイツなどと違って、いまだ日本では医療保険制度に取り入れておらず、本格的に医療に活用されていないのが実状です。


 日本は火山活動の恵みである温泉大国と称しながら、日本の医療、特に慢性疾患には欧米(主にアメリカ)の対症療法中心の西洋医学一辺倒で、しかも欧米以上に、多剤長期投薬と検査に偏重しています。現状の診療報酬制度では、予防と治療へのインセンティブは働きません。


 1,000年以上もの歴史がある温泉療養を、『単なる民間療法』と見なし、医療制度として実質的に何一つ取り入れてこなかった国です。恥ずべきことです。医療観光をめざすなら、まず温泉資源と風景・地形、農林水産物、それに地域の文化・おもてなしの地域資源を最大限に活用し、日本の実状に合わせた中長期滞在型=ドイツ式クアオルト(療養地)を創るべきでしょう。


 その理論的基礎として、心と体を結ぶ免疫学=自律神経免疫学(福田・安保理論)が登場した今では、温泉療養の科学的なメカニズムが解明されました。


 超高齢社会に突入し、増大の一歩をたどる高齢者の医療と介護の負担が、制度を支える働く若い世代への重荷となり、医療制度・介護制度が破綻への道を歩みつつあります。今こそ、お風呂の習慣を持つ日本でこそ可能な、温泉の効果効能を積極的に取り入れた高濃度炭酸泉を、予防や治療に活用するべき時でしょう。


 個人レベルでも、慢性疾患が発症した場合、治療のために時間とお金をかけ、家族にさまざまな負担を強いるより、確実な予防を日頃から行うことの方が、個人的にも社会的にも、はるかにお得です。炭酸温泉に毎日浸ることは、広い意味で『老後に備える毎日の健康貯金』と考えることができます。


 『飲んで良し、浸かれば更に良し』の天然と人工の炭酸泉を賢く、疾病予防・治療・健康維持・美容・観光に活用することを提案・実践しています。

詳しい啓蒙書公開

安保 徹 教授 推薦

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三菱レイヨン・クリンスイの

共同企画開発製品です

泉温に関係なく、炭酸泉に浸った部分の皮膚は紅潮します

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採血で分かる変化

2011.7リニューアルオープン

最終更新日:2022.3.17

自宅の風呂を炭酸泉にする

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炭酸ガス溶解モジュール

国産の天然炭酸水

くじゅう・黒岳山麓

大分県由布市阿蘇野の

「よいやな炭酸水」

Jump to The ‘Fukuda-Abo’ Theory introducing site in English

欧州温泉活用情報

炭酸泉の血管拡張メカニズムのキーワードは、一酸化窒素NOです

炭酸泉入浴すると静脈血が動脈血化し鮮血色に変わります(右)

首都ブダペストの温泉群とハンガリーの温泉療養地を訪れました。

そのレポートはこちら

浦川 豊彦 著

『炭酸泉は未来を描く』

くまざさ出版社

2011年1月出版

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大小2種類販売開始  まず、くじゅう一帯の温浴施設から

日本と欧州の天然炭酸泉の

遊離炭酸ガス濃度と泉温データの大公開

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湯屋・下島温泉

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カーボウォーマー設置

浦川 豊彦のトリップ・ページ へ

ここが問題!日本の医療

解決への具体的提案

2016年12月のくるめ革新懇話会で講演したスライド集です。日本や世界の医療問題、日英の健康保険制度の違い、ドイツのクアオルトについての解説です。

*注:141MBのサイズがあります。